ビタミンDで骨折が多い?
今回は、CMEC-TVのランダム化比較試験のうち、「ビタミンDをとると、骨折や転倒を予防できるでしょうか?」について、さらに見ていきたいと思います。
まだ視聴していない人は、ぜひ一度動画をご覧ください。
この内容をさらに簡単に要約すると、このようになっています。
プラセボとは、薬かどうかわからないようにしてある、本来の薬の効果のないもの(にせ薬)のことです。
この研究では、対象者である70歳以上の高齢者に対して、ビタミンDなのか、プラセボなのか、わからないようにしてどちらかを投与し、その後に転倒と骨折がどのくらい起きたのかを調べた、ということになります。
このビタミンDかプラセボか、どちらの薬を投与するかをランダムに決める、これがランダム化比較試験です。
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ランダム化比較試験をのぞいてみよう
さて、今回は実際のランダム化比較試験をのぞいてみることにしましょう。
まずは、トップページを開いてください。会員登録した方は、はじめに左上の「ログイン」からログインしてください。
(ここを忘れると、あとでトップページに戻らなくてはならなくなります。)
骨粗しょう症コンテンツは5つ
左サイドの「カテゴリー」から、今回は骨粗しょう症を選んでみてください。
現在、5つのリストが表示されます。これは骨粗しょう症に関するコンテンツが5編あるということになります。
この5編のタイトルはどれも似ています。
- ビタミンDを摂取すると、骨折を予防できますか?
- ビタミンDサプリメントを飲むと、骨折を予防できますか?
- ビタミンDをとると、骨折や転倒を予防できるでしょうか?
- カルシウムやビタミンDをとると、骨折を予防できるでしょうか?
- ビタミンDをとると、骨折を予防できるでしょうか?
タイトルからは、
といった内容になっているようです。
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ランダム化比較試験とは
CMECジャーナルクラブが論文の採用基準にこだわるには、いくつかの理由があります。その理由について、少しずつ考えていきたいと思います。
最初のキーワードは「ランダム化比較試験」。まずここを押さえておくと、CMECジャーナルクラブとの距離がぐっと縮まるでしょう。
新しい治療は本当に効果があるのか?
ランダム化比較試験とは、研究方法のひとつです。英語ではRandomized controlled trial (RCT)と呼ばれます。治療効果を検討するために最も妥当性が高いとされている研究方法のことです。
ある治療が本当に効果があるのかを確かめようとしたら、治療をしない場合や別の治療と比較してみる必要があります。
病気というものは千差万別。経過や病気の重症度はそれぞれの患者で異なっています。本来は治療をするかしないか、どちらの治療をするかは患者ごとに判断しています。
ところが、治療の優劣を確かめる際にそのような個別の判断をしてしまうと、治療が本当に効果があるのかどうかがわからなくなってしまいます。
例えば、もし治療効果を検討するときに、「新しい治療は効果がありそうだから、重症の患者に使ってみよう」ということが起きると、新しい治療の治療成績が悪くなってしまうようなことがおきます。
どちらかといえば、「新しい治療成績を良くするために、軽症の患者だけに使ってしまえ」ということのほうが実際には起こりがちです。
このようなインチキが起きないようにするための方法がランダム化比較試験です。
研究で比較検討しようとする治療について、患者がどちらの治療を行うかをランダムに決める(研究者が決めない)ことによって、患者による有利不利を極力少なくして治療の効果がわかるようにしよう、という方法です。
ランダム化によって、治療を受ける人の年齢、生活背景、過去の病歴や家族の病歴、病気の重症度など、いろいろな要素がある程度かたよらずに公平に分けられることになります。
まとめ
- ランダム化比較試験とは研究方法のひとつ。
- ランダム化によって治療の効果を公平に判断することができる。
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採用基準は意外とシンプル
それでは、CMECジャーナルクラブ独自の採用基準とは、一体どのようなものでしょうか?
ウェブサイトを確認してみましょう。
CMEC-TVのページ「CMECジャーナルクラブとは」には、
◆一定の基準を満たした優れたエビデンスのみ採用
とだけ書かれています。
その下の動画「CMECジャーナルクラブについて、もう少し詳しく」で少し説明されています。
選択基準として、論文は
- ビッグ 5といわれる総合学術誌
- BMJ Update
- InfoPOEM
などから選択されています。
ビッグ5とは、
- New England Journal of Medicine
- Lancet
- JAMA
- BMJ
- Annals of Internal Medicine
という著名な医学雑誌のことです。
これらの学術雑誌に掲載された論文のうち、
- 治療・予防についてのランダム化比較試験
- 治療・予防についてのランダム化比較試験のメタ分析
このふたつに限定して要約を作成している、という特徴があります。
厳選された情報源から、さらに選択基準に合致した論文のみを要約している、ということになるでしょう。
もう少し詳しく
CMECジャーナルクラブ編集部のブログには、もう少し詳しく編集指針について書かれています。ブログトップの編集指針のタグをクリックしてみてください。
原著論文の情報源(ジャーナルサーベイ)
- NEJM、Lancet、JAMA、BMJ、Annals of Internal Medicine
- EVIDENCE Updates
- DynaMed Alert
- InfoPOEMs
- UpToDate、DynaMedの参考論文
- 医中誌
- 編集者の論文ストック
論文の選択基準
治療・予防に関する臨床研究論文のうち、真のアウトカムを設定した以下の論文。
- ランダム化比較試験
- メタ分析
それぞれどのような情報源なのか、興味のある方は検索してみてください。
まとめ
- CMECジャーナルクラブは採用基準に基づいて選ばれた医学論文の要約である。
- 治療や予防についてのランダム化比較試験またはそのメタ分析のみを採用している。
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会員登録してみよう
さて、今回は会員登録について。CMECジャーナルクラブを活用する上での第一歩といえるでしょう。
といっても、ここは無料会員登録。まずは気軽な気持ちで乗り越えたいところです。
会員登録の向こう側
ここで会員登録するとなにか売りつけられるのではないだろうか、そんな不安が心をよぎるものです。(実際には、そんなことはありません。)
登録するとどのようなメリットがあるのか、まだ登録されていない方のために、壁の向こう側について少しご紹介しておきましょう。
MYページ
まずはMYページから。会員登録すると、右上のボタンから利用できます。
MYページからは、お気に入りのページを登録することができるようになります。動画の右下に表示されるボタンから、お気に入りページの登録ができます。
MYページからは、他に登録情報の変更や退会手続きもできるようになっています。
メールマガジン
会員登録されると、希望者には編集部からのメールマガジンが送られるようになっています。現在は月に1回、名郷直樹編集長からの連載となっております。
ぜひお見逃しなく。
編集部からのご案内
他に編集部からのご案内などが送られることがあります。編集部が企画するワークショップなどのご案内が中心となっております。
ジャーナルクラブのサンプル
これは前回もご紹介しましたが、CMECジャーナルクラブのサンプルを確認できるようになります。
会員登録のしかた
それでは、会員登録の方法をご紹介します。
右上のこのボタンからお入りください。
次にご利用規約が出てきます。よくお読みください。
規約に同意されると、会員情報登録のページへ進みます。
入力されましたら、登録情報を確認して完了となります。
まずは会員登録が最初のステップとなります。ぜひ登録してご活用ください。
まとめ
- 無料会員登録はジャーナルクラブを活用する第一歩。
- MYページ、メールマガジン、サンプルなどのサービスが利用できる。
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